世田谷区はきょう(5日)、太平洋戦争中の空襲などで被害を受けた民間人に対して見舞金を支給する条例を都内で初めて可決しました。
戦争による被害については、軍人などには国から補償を行ってきた一方、空襲の被害にあった民間人に対する補償は対象外となっていました。
世田谷区はきょう、区内に住む空襲による民間の被害者に対して、1人あたり3万円の見舞金を支給する条例を可決しました。空襲の被害にあった民間人を支援する条例の制定は都内で初めてです。
支給の対象となるのは、1941年から1945年までに空襲や艦砲射撃で負傷し、▼7級以上の身体障害か、3級以上の精神障害が残る人や、▼大きな火傷を負ったり、深刻なトラウマを抱えたりする人です。
東京大空襲で母と2人の弟を亡くしている全国空襲被害者連絡協議会の河合節子さんは、議会を傍聴したあと、条例の可決に「ほっとした」としたうえで、「戦後80年の機会を逃しては前に進めることはできない。当事者としても今年中になんとかしてほしいとつくづく思っている」と国による補償にも期待をにじませました。
今年は戦後80年にあたり、当事者の高齢化も進むことなどから、世田谷区は「今回の条例制定によって国による救済も後押ししていきたい」としています。
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