遺族のコメント
母の死から5年6ヶ月と長い時間が経過しましたが、本日、刑事事件の判決が言い渡されました。 ここまで捜査、審理に関わってくださった方々にまずは心より感謝致します。
医療過誤問題が刑事事件として扱われることは大変珍しいことですが、本日、熊本地方裁判所には、本件医師に重い責任があったことを認めていただきました。
今回の判決は私にとって非常に大きな意味を持つものになりました。
母の尊い命が失われた事、もう二度と帰ってこない事は変わることのない事実であり、私はこの喪失感、虚しさ、悔しさと生涯向き合っていかなければなりません。
しかし、本日、一区切りを迎えることができ、ようやく母の仏前に全てを報告することができます。
母のように「急変時に呼吸管理をする、救急要請をする」といった常識的な最低限の対応さえ取られていたら救えた命、亡くならなかった命が今後二度とないよう、自らの危機管理、手技を見直し再発防止を徹底してほしいと思います。
医療は人が健康に生きていく上で必要不可欠なものです。だからこそ、自身の能力を過信した傲慢な医療、杜撰な医療は患者の健康に深刻な影響を与えることになりかねない事を、医療従事者には常に心にとめておいてほしいと思います。
今回の判決が、医師個人の問題で終わることなく、医療全般において、安全な医療が提供されるきっかけとなれば、亡き母も大変喜んでくれると思います。













