北海道北見市を拠点に音楽家と農家の二刀流で活動するアーティストが注目されています。創作の原点は「かっこいい農業」です。

踊るような、ギターの音色。オホーツクの大地で過ごす牛の気持ちやパワーをイメージしました。

北見の音楽家、遠藤正人さん(45)のオリジナルソングです。

遠藤さんは、音楽活動とともに畑作を手がける音楽家と農家の二刀流、「音農家」です。

音農家 遠藤正人さん(45)
「音楽は農作物一択で作っていますし、MCの内容から曲の流れ、ライブ構成全て農業に特化しています」

北見市で生まれ育った遠藤さん。東京でミュージシャンとして活動していましたが、13年前、Uターンし、実家の農業を受け継ぎました。

音楽家から農家。文字通り「畑違い」の転職に最初は戸惑う日々でした。

音農家 遠藤正人さん(45)
「(農業は)初心者中の初心者で入って、そんなこと(音楽を)やっている場合じゃないという部分もあった」

北海道の農業は気候変動の影響で、農作物の管理が難しくなっています。

農家の高齢化と後継者不足が、農業人口の減少に拍車をかけています。

音農家 遠藤正人さん(45)
「水が貰えなくて、しかも暑くて。大きくもならないし。収穫時期の今いらないって時にいっぱい雨を貰ったんです。小さいのに腐ったみたいな…」

ジャガイモもタマネギも、てん菜も、2025年の出来は小ぶりでした。

それでも懸命に育ってくれた大地の恵みに感謝しています。

「農業の楽しさを音楽に乗せて伝えたい」

遠藤さんは、妻の幸枝さん(43)とともに、音楽ユニットを組みました。

その名は「遠藤まさと家」。

音楽も農業も家族で楽しもうとの思いを込めました。

ライブハウス、レストラン、図書館。

農作業の合い間を縫ってコンサートを開き、オホーツクの農産物の魅力を発信しています。

観客
「すごい繊細だね。牛の曲を作るなんてすごいなぁ…あの感性、素晴らしい」

観客
「すごく近い距離で演奏していただいたので臨場感もあります」

音農家 遠藤正人さん(45)
「僕らみたいに作る人がいて食べてくれる人がいて、それを繋げてくれる人が感情的にも経済的にも幸せになる。そんな未来を想っている」

食べ物も、音楽も作れちゃうかっこいい「音農家」に、二刀流の挑戦が続きます。