東京・足立区で乗用車が歩行者を次々にはね、11人が死傷したひき逃げ事件。37歳の男が事件を起こした車を自動車販売店から盗んだとして逮捕されました。

これはドライブレコーダーに記録された事故の瞬間です。

白のセダンタイプの車がトラックなどに猛スピードで衝突。運転していた男は慌てて車から飛び出し、逃走しました。

三連休最終日に東京・足立区で起きた凄惨なひき逃げ事件。上空からも、複数の車が破損し、トラックが歩道に乗り上げている様子が確認できます。

喜入友浩キャスター
「白い車が1台、歩道に向かって突っ込んでいるのがわかります。フロント部分が大破しています。その前にはぶつけられたのでしょうか、軽自動車、後ろの窓ガラスがすべて落ちています」

衝撃からでしょうか？イチョウの木もなぎ倒されています。

喜入友浩キャスター
「現場近くの歩道には壊れた腕時計が残されています。時計盤は12時30分すぎをさした状態で止まっています」

24日午後0時半ごろ、男が乗った白い車が歩行者を次々とはねました。

目撃者
「もう暴走…本当に速かった。次々にはねられた感じ。警備員を見ちゃった、はねられて一回転しちゃっているのを…。助けなきゃと思って、『AEDを持ってきて下さい』と叫んでいた」

これは現場付近を走っていた車のドライブレコーダーの映像。画面右から猛スピードで走ってくる白い車が確認できます。

 白い車は足立区役所の前の横断歩道で20代の女性歩行者1人をはね、歩道に乗り上げたあと100メートルを走り、80代の男性ら4人を次々とはねました。

その後、再び車道に戻ると別の車に衝突。乗っていた6人にけがをさせた末、停止しました。

女性をはねた横断歩道から停止するまでの距離はおよそ300メートルほど。その後、男は現場に車を残し、走り去りました。

目撃者
「（Q.どういう状況でしたか？）ぶつかった車とかで、ごちゃごちゃになっていた。人は倒れてたり、心臓マッサージしてたり…。結構大ごとだなと感じました」

歩道にいた80代の男性が死亡。20代の女性が心肺停止の状態で、10代から70代の男女9人が重軽傷を負いました。

車が暴走した背景に何があったのか？

喜入友浩キャスター
「歩道に突っ込んでいる白い車に容疑者が乗っていたとみられますが、ナンバーを見てみると、メーカー名と『認定中古車』と書かれています。数字ではありません」

実は事件のおよそ2時間前に、近くの自動車販売店から展示車両が盗まれる事件が発生。警視庁は販売店からの通報を受け、この車をパトカーで追跡していました。

警視庁は24日夜、車を盗んだ疑いで足立区内に住む職業不詳の37歳の男を逮捕しました。

男は取り調べに対し…

逮捕された男（37）
「盗んだわけではなく、車を試乗するために店を出て、（国道）4号線を走りました」

こう話し、容疑を否認しています。

警視庁は乗用車を盗んだ男が事故を起こしたとみて、ひき逃げ事件として捜査しています。