10月31日に開幕した「大道芸ワールドカップ2025」。世界各国からアーティストが集まる中、地元静岡でのパフォーマンスに人一倍アツい思いを持っているのが、静岡市出身の大道芸人・ナオキさんです。パフォーマンスの裏側に迫りました。

静岡市出身のプロ大道芸人・ナオキさん(39)。素晴らしいパフォーマンスで観客を沸かせます。静岡市の街なかを拠点に活動を始めて25年。

<大道芸人 ナオキさん>
「プロで静岡市出身で大道芸をやっているの、僕ひとりだけになってしまいました。それぐらい厳しい世界です」

ナオキさんはヨーヨーの世界大会で2度の優勝、ギネス世界記録を15個も獲得するなど、常にその技を磨き続けてきました。

この日は、小学生から社会人まで集まるジャグリング交流会に参加していました。

<LIVEしずおか 杉本真子キャスター>
「今は何の練習をしていたんですか?」

<ナオキさん>
「これは大道芸ワールドカップでやるローラーバランスっていうパフォーマンスですね。不安定になるんですけど、この上に乗るバランス芸ですね」

パフォーマンスの裏には、日々の練習の積み重ねがありました。この日は初めて5段の高さに挑戦。

<アーティスト仲間>
「努力家なんですよね、すごい。すごく負けず嫌いだし。でも普段は本当に飄々としているんであんまり気付かないかもしれない、そこはすごい」

<ナオキさん>
「魅せる仕事なので、僕が頑張っている姿とかを見てもらって、それが明日への勇気、一歩じゃないですけど、元気になってもらえれたらいいなという気持ちが強い」

中学生の時、ヨーヨーに夢中になり大道芸人になることを決意。家族の反対を押し切り、高校を中退して東京へ。2年間の修行を経て、地元静岡に戻ってきました。

<ナオキさん>
「見る目は厳しいけど、この空気が好きなので戻ってきた」

路上でのパフォーマンスは、お客さんが一人もいない状態から始まります。

<ナオキさん>
「ひとつだけがお願いがある。投げた時に『おっー』って言ってくれる?『おっー』に釣られて人が集まってきます。そういうシステムになっています」

「失敗したらドンドン笑っちゃってください。全員参加で拍手歓声、盛り上がりを今お願いします。バッチリです。皆さんの拍手と笑顔が最高でした」

ナオキさんの芸が待ちゆく人を呼び込み、あっという間に、路上が笑顔で溢れます。そして毎回、ショーの最後は練習していたローラーバランス。この上でけん玉に挑戦する大技です。

<ナオキさん>
「気分が落ち込んでいてという方が結構いらっしゃって。『でも今日来てよかったです。大道芸というものが見られて良かったです』と涙ながらに語ってくれた時に、大道芸っていう仕事ってもしかしたらいいんじゃないのかなみたいな」

<観客の女性>
「最後のけん玉がすごくて感動しました」

<見ていた子ども>
「すごかった。また見たくなった」

<ナオキさん>
「本当に最後までありがとうございました。正直自分の好きなもので生きていくってめちゃくちゃ大変です。ただ今のこの気持ち、幸せです。皆さんも夢・目標があったら立ち向かってみてください。最高な景色が味わえます。そのきっかけが大道芸だったらこれ以上うれしいことはありません」

ナオキさんはイベント3日目となる11月2日に、駿府城公園内でパフォーマンスを行う予定です。