世界文化遺産を構成する大森勝山遺跡が、相次ぐクマの出没を受けて今年度の一般開放を取り止めることになりました。

岩手県盛岡市の中心部では川を泳ぎ、河川敷をかけるクマ。
隣の秋田県横手市では緊急銃猟による駆除が県内で初めて行われました。

クマの出没が2100件を超え、過去最多となっている青森県では27日、世界文化遺産を構成する大森勝山遺跡の今年度の一般開放の取り止めが決まりました。

大森勝山遺跡では、クマが目撃された8月下旬から立ち入り禁止となっていて、弘前市による巡回が行われていましたが、10月21日と23日に遺跡内でクマのフンが確認されました。

また、周辺のリンゴ農家からも食害の報告を受けたことから見学者の安全確保が難しいと判断されました。

本来であれば、紅葉シーズンで例年観光客が増える時期ですが、閉鎖により今年度は観光客の3分1、約2000人が減ると見込まれています。

弘前市文化財課 石岡博之 課長
「かなりのツアー客が来ていただけない状況です。お待ちいただいた方には申し訳ありません。今季はこういうことになりましたが、事情を鑑みて考慮していただきたい」

大森勝山遺跡は、2026年5月の再開を目指していますが、相次ぐクマの出没が青森の観光にも影響を与えています。