朝晩は肌寒くなってきたこの時期に食べたいおでん。このおでんにも物価高騰の波が押し寄せていて、現場からは悲鳴が上がっています。

静岡市の駿府城公園にある静岡おでんの店。

大根や牛すじ、黒はんぺんが人気です。

Q.おでんどうですか?「おいしいです」

市民のソウルフードでもある静岡おでん。

こちらのお店では、ことし1月にすべての商品を10円値上げしました。中でも、静岡おでんに欠かせないはんぺんなどの練り物が値上がりしているといいます。

<おでんやおばちゃん 杉浦孝店長>

「練り物は徐々に徐々に(上がっている)。はんぺん1枚は1枚の値段なので、高くなったから半分にして売りましょうというわけにもいかないから」

野菜などの具はカットサイズを調整して対応できるといいますが、はんぺんなどの練り物は、サイズを小さくして提供するのは難しいそうです。

<おでんやおばちゃん 杉浦孝店長>
            
「静岡おでんという文化を知ってもらうきっかけとなる1つの場所としてスタートした。利益は出続けないと商売は続かないので、お店、商売も考えなくてはいけないところ」

おでんの製造現場も物価高に頭を悩ませています。

こちらの会社では、数十種類の練り物を製造・販売していますが、今年の春に10~15%値上げをしました。

一番の要因は原料であるすり身の高騰です。

<はの字食品 服部隆史社長>

「海外から輸入しているものが主になるんですけど、為替の影響というところもあってそこで価格が上がっているということと海外で生産する際の人件費やエネルギーも価格転嫁の要因となっている」「既存のものだけでなく、こだわった原料を使ったものであるとか、地元で獲れたものとかを使った商品や付加価値のあるようなものを作っていきたい」

長引く物価高をどう乗り切るのか、店側、そして生産現場も模索しています。