若者の失業率が過去最悪となっている中国。経済が急成長している南部・深セン市でさえ、希望する仕事が見つからず、ホームレスとなった若者たちがいます。わたしたちは定職のない、22歳の男性に話を聞きました。
中国南部にある広東省・深セン市。AIなど先端技術の開発拠点として急成長する町で、“中国のシリコンバレー”とも呼ばれています。
一方で、もう1つの顔が…。
記者
「深セン中心部から車で30分ほどの場所にやって来ました。こちらにバスターミナルがあるんですけれども、バスに乗ること以外で人が集まっているといいます」
ターミナル周辺に集まる多くの人たち。その目的とは―。
人材派遣会社
「あと1名の枠が残っています。先に申し込んだ人が選ばれます」
女性の呼びかけに人が集まります。どうやらバスターミナルには仕事を求めてやってくる人が多くいるようです。
人材派遣会社の職員
「工場の仕事です、電子工場。どの工場でも働けますよ。年齢制限はありません」
この周辺には、人材派遣会社が数多く集まっています。1時間400円から600円ほどで、日雇いでの工場勤務や、住み込みで数か月間働く仕事もあります。
地面に身分証を並べて撮影する女性の姿も。仕事を希望する人の身分証とみられます。
若者も少なくありません。
仕事を探す男性(25)
「(仕事を探しに)湖南省から来ました。(Q.仕事は見つかりましたか)いいえ」
仕事を探す男性(25)
「ここではいい仕事を見つけるのは少し難しいです。学歴と経験が求められるので、それがなければ工場で働くしかないです」
いま中国では若者の失業率が深刻化しています。先月の失業率は18.9%に上昇、学生を統計から除いた2023年12月以降で最も悪い水準となっています。
「毎日外にいます。路上で寝ています」
江西省出身の廖さん、22歳。高校卒業後に働き始め、今年の春から仕事を求めて深センに来ました。しかし、4か月間定職につくことができず、いまは公園やネットカフェで寝泊まりをしています。
仕事を探す廖さん(22)
「給料がとても安いので、高い給料の仕事でなければやる気が出ません。日雇いの仕事だと朝4時過ぎには動き出し、7時から夜10時まで働きます。(Q.いくらもらえますか)一日で手取りは100元(約2000円)くらいです」
起業するといって両親からおよそ80万円をもらったといいますが、金を増やそうと、周りに誘われた賭博で、1か月で金はなくなりました。
仕事を探す廖さん(22)
「(実家には)帰れません。帰る勇気がありません。将来については全く考えていません。今は迷っていて、お金がなく、計画の立てようがありません」
中国のシリコンバレーの夜。その片隅で将来に不安を抱えながら日々を送る若者たち。
中国政府は失業した若者を雇用した企業に補助金を出すなど対策に乗り出してはいますが、景気低迷が指摘される中、事態の行方は依然として見通せません。
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