“まるっとした黒いフォルムに赤いほっぺが特徴的な、熊本発のマスコットキャラクターといえば?”
日本全国でこのような問いを投げかけると、十中八九『くまモン』と返ってくるだろう。
熊本県民としては、日々の生活で彼を見ない日はほとんど無い。そんな熊本に9月、新たなマスコットが現れて県民の注目を集めている。
その名も『ワルモン』。熊本弁で「悪者(わるもん)」を意味する。
自称・詐欺師を名乗るオスのクマで、熊本県警察の公式マスコットだ。
ワルモンって、何モン?
ワルモンは今年9月15日「敬老の日」に誕生した。

姿かたちはくまモンと瓜二つとも思えるが、表情を見ると吊り上がった目や眉、不敵な笑みや「×印」の赤いほっぺの形など、その違いは一目瞭然。首元には大ぶりのチェーンを巻いている。
何ともワルそうな風貌だが、その役割は、特に高齢者の被害が多い「特殊詐欺」の対策を呼び掛けること。
熊本県警のイベントに登場すると、親子連れから「偽物のくまモン?」「ちょっと怖い」「意外とかわいい」など様々な反応があった。
ワルい・・・けど憎めない?
ワルモンのプロフィールも確認してみよう。
自称・詐欺師らしく『ものまねが得意』。しかし『性格は目立ちたがりで、おっちょこちょい』。

ほかにも県警なりの遊び心が散りばめられている。特に目立つのはダジャレだ。
好きな食べ物:『冷めたイカ(イカ冷まし=イカサマ師)』
苦手なこと:『なぞなぞ(熊も解けん=熊本県)』・・・など。
『自分を動物に例えるとカメレオン』という回答には、思わず「そもそもクマでは?」とツッコミたくなる。
無人島に持っていくものは「詐欺に必要だから」として『スマホ』。バッテリーの管理が大変そうだ。
ワルモンのデビューに伴い、ポスターも公開された。

電話やSNSを使った12種類の詐欺の手口を、自身の趣味だという相撲になぞらえて「詐欺の“決まり手”」として自慢している。
ちなみに県警や県によると、ワルモンとくまモンは「全くの無関係」。
なぜ、県警は自称詐欺師という「アンチヒーロー」を誕生させたのだろうか?その背景に聞くと、犯罪をめぐるのっぴきならぬ現状があった。













