今年5月、香川県高松市の男木島沖で発生した観光船の火災事故について、観光船を所有する会社への立ち入り検査で輸送の安全が確保されていない事実が確認されたとして、中国運輸局はきょう(9月26日)、海運会社に対し、旅客船の輸送の安全確保に関する命令書を出しました。

火災事故は今年5月16日、高松市の男木島沖で六口丸海運が所有する観光船で発生したもので、乗客・乗員あわせて25人は全員救助され無事でしたが、船は沈没し、その後引き揚げられました。

中国運輸局では、海上運送法に基づき、その後4回にわたって六口丸海運に立ち入り検査を行い、運航管理の状況や事故が発生した際の対応などを確認したところ、船員法で定められた特定教育訓練を終了した乗組員を乗船させていなかったことなど、会社の安全管理規定を遵守せず、輸送の安全が確保されていない事実が確認されたということです。

命令書では、小型船舶の乗組員に対して特定教育訓練を実施することや、安全管理規定の遵守を徹底させること、また安全教育を定期的に実施することなどが指示されていて、対応について今年10月27日までに中国運輸局に文書で報告するよう求めています。