ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、アメリカが大きな方針転換でしょうか。トランプ大統領が「ウクライナは戦闘開始時点の国境の回復が可能だ」との考えを表明しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「まずはあなたの力を借りて戦争を止めたい」

国連総会に合わせて会談したトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領。

今月に入り、ロシアの無人機や戦闘機がNATO=北大西洋条約機構の加盟国の領空に相次いで侵入したことをめぐり、トランプ大統領は…

アメリカ トランプ大統領
「(Q.ロシアの戦闘機が領空に侵入の場合、NATO加盟国は撃墜すべきか)そう思う」

領空を侵犯した場合は撃墜を支持する考えを示しました。さらに、会談後にSNS上で表明したのが…

アメリカ トランプ大統領
「ヨーロッパ、特にNATOの財政的支援があれば、ウクライナはこの戦闘が始まった時点の国境線の回復が十分に可能だ」

2022年にロシアが本格的に侵攻を始めた時点の国境線の回復が可能だとの認識を示したものとみられます。

アメリカ トランプ大統領
「本当に思っているんだ。ウクライナに国土を取り戻させよう」

トランプ氏はこれまで和平合意に向け、ウクライナはロシアが占領する東部・ドンバス地方を割譲せざるを得ないとの認識を示していました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「トランプ氏の投稿は大きな転換だ」

ゼレンスキー大統領は会談後、トランプ氏が「ゲームチェンジャーとなり得る」と話し、和平交渉の進展に期待感を示しました。そして、国連安保理では「アメリカの行動がロシアを平和に向かわせると期待している」と強調し、国際社会に対し団結を呼びかけました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「みなさんが戦争を終わらせようと団結すれば、ロシアでさえ従わざるを得ないでしょう」

一方、ロシアの代表は「この会合はウクライナの平和に向け、何の価値も生みださない」と批判し、ウクライナ国民は西側諸国の利益のために死んでいると主張。アメリカのルビオ国務長官は「トランプ大統領は必要があれば、ロシアに追加の経済的な代償を払わせる選択肢がある」と警告しました。

アメリカ政府の「方針転換」は和平交渉にどのように影響するのでしょうか?