ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井会長兼社長は、円相場が20年ぶりの円安水準になったことについて、日本経済にとって「円安のメリットは全くない」と強調しました。
ファーストリテイリング 柳井正会長兼社長
「円安のメリットは全くありません。日本は世界中から原材料を入れて、加工して付加価値をつけて売るっていうそういう業務をやっているんですよ。その中で自国の通貨が安く評価されるっていうことは決してプラスにはならない」
柳井会長兼社長はこのように話したうえで、円安は日本経済に悪い影響を与えると指摘しました。
また、原材料費や輸送コストの高騰が続けば「今の価格で売るのは不可能」と話した一方、「今の日本の経済情勢から考えると安易な値上げはできない」と値上げは慎重に検討する姿勢を示しました。
一方、ファーストリテイリングの去年9月から今年2月までの半年間の決算で最終的な利益は前の年の同じ時期と比べて38.7%増えて1468億円となりました。この時期としては過去最高です。
国内のユニクロ事業は冬物の売れ筋商品の欠品に加えて、前年度が巣ごもり需要で好調だった反動もあり、大幅な減収減益となりました。
一方で、海外のユニクロ事業はアメリカやヨーロッパでの販売が好調で業績を押し上げました。
今年8月までの1年間の業績の見通しについては、円安の進行で海外事業の収益が円換算では増えると想定し最終的な利益を1900億円に上方修正しています。
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