岡山県吉備中央町で、「高齢者の声を取り入れて開発された」EV車両の運用が始まりました。過疎と高齢化が進む山あいの町の新たな移動手段として、期待が高まっています。


ゆったり、スムーズな動きで人を運ぶのは、デジタル技術を活用した「EV車いす」です。


(利用した人)
「買い物に行くとき、歩いていったら足が痛いから歩けない、という人には、これはいい」


今年3月、国の「デジタル田園健康特区」に指定された吉備中央町。


その一環として、高齢化が進む新山地区で、山口県のEV車両メーカーが開発した「EV車いす」10台と「マイクロEV三輪車」1台が導入され運用開始式が行われました。


高齢化率が54.3%の新山地区は、自宅からバス停までの移動手段がなく、巡回バスの利用も困難な状況になっています。


そこで「交通手段がない」という高齢者の声を活かし、自宅からバス乗り場までの移動手段として、操作も簡単なEV車両が開発されました。


(ツバメ・イータイム 山本朋宏社長)
「いろいろな方に対応できるモビリティというのを、デジタルの連携基盤をとりながら効率的に動けるような仕組みもつくっていきたい、と考えています」


今後、自動運転の開発も進むというEV車両は、「過疎化が進む地域」でのさらなる活用が期待されています。


(吉備中央町 山本雅則町長)
「生活の利便性を高めていただくと、全国の困っている人の何かいいモデルになればやった甲斐があるなと思っています」


「交通の不便さ」など地域課題の解決に期待がかかるデジタル技術の活用。新たな運用が広がりそうです。