静岡県掛川市教育委員会は、2026年度から同市内すべての小学校の1年生から3年生の通知表を廃止する方針を明らかにしました。自治体レベルでの廃止は、静岡県内では初めての取り組みで、全国的にも珍しいということです。

この方針は、9月19日に開かれた掛川市長の定例記者会見の中で説明されました。同市内の小学校全21校ではこれまで、低学年は3段階の評価による通知表を作成し、児童に渡してきました。この通知表の作成が教員の大きな負担になっている一方、数年前から進めるDX化によって、勉強の習熟度がAIで客観的に評価できるようになったことから廃止を決めたということです。

<掛川市 佐藤嘉晃教育長>
「通知表(作成)もかなり時間をかけているので、そういうものを削減してもっと子どもや保護者と向き合う時間をとる方向で考えていこう」

2026年度からは、通知表の代わりに教員と保護者、児童の三者面談を実施し、客観的な資料として、学習支援アプリ等のデータなどを示しながら、学習状況等のフィードバックを行うということです。また、児童から学習の取り組みについて聞いたり、学び方などの価値づけやアドバイスをしたりして、指導と評価の一体化、きめ細やかな指導を計っていくとしています。

同市教委では、9月22日に開かれる校長会で通知表廃止について説明するということで、2027年度からは4年生にも拡大するほか、5、6年生についても今後検討していくとしています。

同市教委によりますと、通知表の廃止は、学校単位での例はあるものの、自治体単位では静岡県内初めてで、全国的に見ても珍しいということです。