アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が今日にも電話会談を行う見通しです。「貿易」が主なテーマですが、重要な交渉カードとなりそうなのが「留学生問題」。その背景で起きているアメリカの大学の「異変」を取材しました。
アメリカ中西部・ミズーリ州のセントラル・ミズーリ大学。新学期が始まったばかりですが…
記者
「この新学期、海外からの留学生の数が大きく減りました。1年前と比べると6割の減少です」
留学生が激減した理由は、不法移民対策を進めるトランプ政権が「学生ビザ」の発給を制限しているためです。
「すべての学生を歓迎します」
トランプ大統領は「留学生が多すぎる」とハーバード大学などの名門大学を批判。日本をはじめ、世界各地の学生がビザの発給を受けられない事態となりました。
そしてこの秋、アメリカにやってくる留学生は15万人ほど減少。経済的な損失は1兆円(70億ドル)にもおよぶとも指摘されています。
セントラル・ミズーリ大学 ベスト学長
「1922年当時の天井を復元したいと考えていました」
ここは1920年代に建てられたという「講堂」。天井を見ると穴が開いています。
セントラル・ミズーリ大学 ベスト学長
「工事が完了できるのは当初の予定より3~4年は遅れるでしょう」
大学はいま、職員の賃金アップをとりやめるなど財政計画の見直しを急いでいます。遠からずアメリカ人学生にもその影響が及ぶことは確実です。
セントラル・ミズーリ大学 ベスト学長
「授業料の割引や免除は多くのアメリカ人学生に適用されますが、通常、留学生は対象になりません。留学生は実質的にアメリカ人の学費を補助しています」
満額の授業料を支払う留学生が集まるからこそ、アメリカ人学生の学費が今の水準に抑えられているのです。
もちろん地元出身の学生にとって、留学生がいなくなることはお金だけの問題ではありません。
学生
「もしアメリカ人学生だけになったら、一面的な偏った考え方しかできない」
「留学生を排除すれば、彼らがもたらす知識も制限されてしまう」
こうした声が届いたのか、トランプ大統領は先月末、突然、中国人留学生をこれまでの2倍以上となる60万人受け入れると表明しました。
アメリカ トランプ大統領(先月27日)
「外国の学生が来るのは良いことだ。もし来なければ、我々の大学はすぐに破綻する」
ただ、ビザ発給の拡大が取りざたされているのは中国だけ。
きょうにも行われる米中首脳会談の「交渉のカードにすぎない」という見方もあり、大学サイドからは「どうすれば豊かな教育が実現できるのか考えてほしい」という声があがっています。
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