私たちが普段から使う機会が多いSNS。その市場は2029年ごろまでに約2兆円規模になると予測されています。静岡県内の企業も戦略として取り入れるSNSの可能性に迫りました。
静岡市清水区の酒店で撮影をするのは、長島晴希さんです。長島さんは広告会社を経営する傍ら、インフルエンサーとしても活動しています。
長島さんが運営するアカウント「静岡散歩日記」では、県内の観光地や飲食店を紹介。開設から約1年ですが、フォロワーが9万人いる人気アカウントです。
<久保山酒店 久保山貴由さん>
「うちも(SNSを)やってますけど、彼の画像を見るとすごく内容が濃いですよね。引き込まれる感じ」
長島さんは週に5本のペースで投稿。始めた当初は、自ら取材先を探していましたが、現在は飲食店などからの依頼が8割を占めます。
<長島晴希さん>
「世界中に静岡の魅力を発信していけるようにスキルを磨いて、静岡が盛り上がれば」

日本の広告費はインターネットの広告が年々増加し、今では全体の半分を占めています。

さらにソーシャルメディアマーケティングだけを見ても、約1兆2000億円を数え、2029年には2兆円を超えると予想されています。
<アップスカイ 寺田貴詞社長>
「消費者が普段の生活の中でどの媒体をどれくらい見ているのという話。スマートフォンを見ている時間が長いじゃないですか。こういうターゲットを獲得したいというところに、ピンポイントでリーチできるインフルエンサーを使っていきたいという意図はあると思う」
SNSやインフルエンサーの活用は、企業でも始まっています。
ライブ配信を活用した販売方法・ライブコマースです。静岡市で中古のブランド品を扱うお店では、以前、店頭での販売を行っていましたが、コロナ禍で利益が減少。そこで目をつけたのがライブコマースです。
会社専属のフィリピン人2人が、フェイスブックのアカウントでライブ販売。5時間のライブで、20件から30件の購入があり、多い時で200万円の売り上げになるということです。さらに、この会社には全国から配信者が集まり、それぞれのアカウントで、商品を販売しています。
<ファミールカンパニー 柳本公則社長>
「店舗だと静岡県、静岡市に近い人がターゲットになるが、海外だと何十億人の人にリーチできるのがメリット」
フィリピン、アメリカが主なターゲット層ですが、ヨーロッパからの購入も多いということです。今後はインフルエンサーとのコラボも視野に入れます。
<柳本社長>
「インフルエンサーとコラボライブのような形で、インフルエンサーのフォロワーに商品を販売する道もあると思うので、ライブ販売というくくりだけでなく、いろいろな方面に広がる可能性は秘めている」
誰もが始められる環境にあるSNSビジネス。可能性は広がり続けます。