実りの秋を迎えていますが、ここ数年、温暖化によるコメの品質や作柄の低下が懸念されています。
このような中、宮城県大崎市の県古川農業試験場では、12日に試験栽培されている高温に強いコメの稲刈りが行われました。

宮城県古川農業試験場で試験栽培されているのは、夏場の高温にも耐えられる「東北247号」です。
12日は、5月に田植えをして育てられてきたイネが手作業で刈り取られました。

「東北247号」は高温や倒伏に強いコメを目指して、2018年から育成が始まり2026年にかけて試験栽培が行われます。

試験場によりますと、2025年の猛暑のなかでも問題なく生育したということです。

県古川農業試験場 増田秀平研究員:
「倒れることもなく、順調に生育しており、これは少し期待できると思っている」

高温に強いイネの開発が進む背景には、地球温暖化に伴う夏の猛暑があります。イネは、穂が出た後の登熟期(とうじゅくき)に高温が続くと、十分に栄養を蓄えられず、コメが白く濁る「乳白米(にゅうはくまい)」が増えます。

品質の低下や収量が減少してしまうことから、より高温に強く、収量も安定する品種が求められているのです。

県古川農業試験場 増田秀平研究員:
「高温でもコメが白く濁ることなく、おいしいものになるのではと期待している。より暑さに強いコメの開発性はどんどん高まっていくと思う」

試験場では、10月下旬から11月上旬に刈り取った「東北247号」の品質調査や食味の検査を行うことにしていて、県は、2年後に県の優良品種としての登録を目指しています。