「お誘い」の返事に悩んだら?
藤森祥平キャスター:
AI社会が広がっています。仮に、私から小川さんに『あした飲みに行きませんか?』というメッセージを送ったとします。当然受け取った小川さんはどう返信するか悩みますよね。これをAIに考えてもらうと、『いいね!行こう行こう。どこ集合にする?』や『ごめん、明日はちょっと都合悪いかも...また誘って!』など、様々な答えを出してくれます。

小川彩佳キャスター:
「断りづらいな」っていうときは、こういった選択肢があって便利は便利ですね。
藤森キャスター:
9月9日から利用できるようになりました。これは、過去の15件のやり取りを読み込んでAIが判断して、最適な選択肢を出すようです。

斎藤幸平さん:
パソコンだと既にこういう機能があって普通に使っているので、そんなに抵抗感はないです。人に対するメッセージもAIを使って補助してもらったりとか、短い返事とかはそのまましてもらったりもします。
特に女性は、藤森おじさんや私みたいな人から誘われることがあると思うので、断りやすいし便利だと思います。
藤森キャスター:
結局、返信に悩んで既読スルーになってしまうときありますよね。株式会社ネクストレベル マッチングアプリ大学の調査によると「既読スルーしたことありますか」という質問に対して、「頻繁に」「時々」「何度か」したことがあるという人が95.3%いるそうです。

既読スルーをしてしまう理由の1位は、「何と返せばいいのか分からない」で、2位は「返事することが面倒くさい」という答えになりました。街の皆さんにもお聞きしました。
ーーついつい既読無視・未読無視しちゃったことは?

会社員
「たくさんあります。日程調整とかも含めて一旦置いちゃったりとか。あとは返したくないときとか、考えるの面倒くさいときとかは結構置いちゃいます」
会社員(30代)
「(親への返信は)面倒くさいですね。もちろん親だから、心配してくれていろいろ送ってきたりとかしてるんだろうなとは思うものの、『元気?』みたいなのとか『聞いてどうするの?』という気持ちになるものが多いです」
夫婦(70代)
「(LINEは)ほとんど友人や家族との連絡です」
ーーお子さんから返信来ないことはある?

夫婦(70代)
「一応来ますね。素っ気ない返事だけど来ます。スタンプでごまかされちゃう」
ーー友達や家族が、AIが考えた返信を送ってきたら?
夫婦(70代)
「一般論として、コミュニケーションをするのにAIに任せるというのはあんまりよろしくないんではないかと思います」

小川キャスター:
ビジネスメールのやり取りはサポートしてもらうのはいいかなと思いますが、LINEのやり取りはメールを超えて会話に近いと思うんですよね。AIが返信を考えると、主体が自分なのかどうなのかが怪しくなりますよね。
斎藤幸平さん:
私も親から『サンジャポで変なこと言うんじゃない』とか、リアクションに困ることが来て既読スルーしちゃうこともあるので、AIを使う人の気持ちはわかります。今アメリカでは、大学生もレポートをChatGPT等のAIに書いてもらっていて、先生たちもそれをAIに採点してもらっている。
そのうち、AIが告白してAIが付き合ってAIが別れるみたいな、コミュニケーションの在り方自体が変わっていくときに、最終的に「人間って何なんだろうな」ということ考えるところに入り始めたかも知れない。
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〈プロフィール〉
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書『人新世の「資本論」』