田久保市長の議会解散の判断について、議会から「大義なき解散」と反発が出ましたが、地方自治の専門家も「言語道断」「大義があるない以前の問題」などと痛烈に批判しています。

<田久保真紀 伊東市長 (9月10日)>
「市政にとって、また市民生活におきまして大変重要な議会においての審議や採決が議会初日に放棄されてしまった事実を冷静に受け止め、改めて広く市民の皆さま
に信を問うべきであると考えました」

田久保市長の判断について議会側は「大義なき解散」だと反発しました。政治学の専門家は地方自治史上に残る特異な事例だと批判します。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「この解散というのは言語道断だという一言に尽きます。というのも、市長個人のこと、適正に関わる問題、経歴に関わる問題で、なぜ多くの議員を解散することが必要なのか」

さらに、伊東市の財政への影響も指摘します。

<白鳥教授>
「議会解散すると、不必要な4500万円という予算が議会選挙にかかる。市長選挙も前回のケースでは2500万円ほどかかっている。田久保市長1人、個人の経歴に係わる問題だけで伊東市の貴重な市民税が7000万円以上失われる見込みになっていることは注目すべき」

一方、地域学を専門とする静岡産業大学の小泉祐一郎教授は、解散の理由そのものが成り立たないと指摘します。

<静岡産業大学 小泉祐一郎教授>
「議会自体は別に解散されなければ会期いっぱいまで審議ができるわけで、むしろ解散したことによって議会が審議できなくなってしまった。自分で解散しておいて議会が(審議を)放棄したというのは事実に反しているので解散の理由になっていない。大義があるない以前の問題ですね」

また、今後の焦点は選挙の構図だと話します。

<小泉教授>
「田久保市長を擁護する人たちがどれぐらい立候補してきてどれくらい当選してどのくらい票を集めるのかが焦点になりまして、その後不信任案が可決されるかということになる。どういった構図で次の市長選挙が行われるのかが最終的には最大の焦点になる」