
米焼酎の代表的な存在、「球磨焼酎」。日本に4つしかない産地呼称が認められた本格焼酎のブランドの一つです。RKKでは、テレビ放送開始翌年の10月に早速仕込みの様子を取材しています。当時のニュースはこう伝えています。


「球磨川の上流人吉球磨地方では、深まる秋と共に今年も球磨焼酎の仕込みが始まりました。この球磨焼酎は相良700年の歴史と共にこの地方独特のお酒として育まれてきたもので、今では33ヶ所の酒造場で年間3000キロリットルを生産しています。

酒造りは、一年中で最も寒いこれから3月にかけて、しかも午前3時から6時頃の最低気温をねらって行なわれます。奇麗に水洗いされた精白米は、八石入りのボイラーで約1時間むらします。むらした米はざるに注ぎ分けられ、30度から35度に保温した部屋で種こうじを加えて麹を作ります。


こうして出来上がった麹にむし米を加え、大きな仕込みガメに入れて、3メートルあまりの「えぶり」を持った杜氏達が元気のいい掛け声に合わせて丹念にかき混ぜていきます。


もうすでに醗酵をはじめたもろ味は、ぶつぶつと音をたて、特有の芳じゅんな香りが当たりに漂っています。今日も酒造場では大勢の蔵子達が忙しく立ち働いています。


これらの人たちの勤労意欲と熟練によって作り出された今年の球磨焼酎が一般にお目見えする日ももう目の前と行った所です」

80年代、90年代の焼酎ブームを経て、球磨焼酎の生産量は年間20000キロリットルにまで増えました。若者のアルコール離れもあり最近は減少してはいますが、現在も27の蔵元が200を超えるブランドの球磨焼酎を生産し、多彩な味のバリエーションであらたな焼酎ファンの開拓に力を入れています。