“物言う経営者” 華麗な経歴

三菱商事の商社マンだった新浪氏は2002年、43歳の若さでローソンの社長に大抜擢。11期連続の増益とした実績が買われ、2014年、サントリーホールディングスで創業家以外では初となる社長に迎えられました。

サントリーHD 新浪剛史 社長(就任時)
「『やってみなはれ』。実は私、これが大好きでございます。ビジネスマン最後の大きなチャレンジとして、日本初の本当のグローバル企業にするんだと、全身全霊を捧げてやりたいと思っている」

2023年には経済同友会のトップに就任し、“物言う経営者”として存在感を発揮。この年、旧ジャニーズ事務所をめぐる性加害問題が明らかになった際には…

経済同友会 新浪剛史 代表幹事
「チャイルドアビューズ(児童虐待)があったことに、真摯に反省しているのかどうかというところがまず大変疑わしい。(旧)ジャニーズ事務所のタレントを起用することは、チャイルドアビューズを企業は認めることであり、国際的には非常に非難のもとになる」

2024年10月には、他の経済団体トップとともに石破総理と面会し、賃上げなどを要望。

経済同友会 新浪剛史 代表幹事
「最低賃金が今後上がっていくという予見の中で、企業の経営をすることが予見性。できない企業は退出する。(最低賃金1500円を)払えない企業は駄目なんですよ」

中居正広氏による性加害問題をめぐっても、フジテレビの対応を痛烈に批判していました。

経済同友会 新浪剛史 代表幹事
「大ごとになってから第三者委員会(の調査)になってしまった。追い込まれたということ」

本業では、2024年1年間のグループの決算で、売上・営業利益ともに過去最高を達成した新浪氏。

サントリーHD 新浪剛史 会長(2024年12月)
「これからは鳥井と私の“二人三脚”にて、サントリーグループの経営を担っていくことになりました」

2025年3月付で会長となり、社長を創業家出身の鳥井氏に引き継いでいました。

2日の会見場に新浪氏は現れず、代わりにコメントが読み上げられました。

「一身上の都合により辞任したいという申し出を受理していただいた。会長の仕事を続けることができなくなったことは残念に思っている」

サントリーの会長は新浪氏と佐治会長の2人体制で、当面、佐治会長1人の体制になるということです。

渦中の新浪氏は3日、経済同友会の定例会見に出席する予定で、発言が注目されます。