深刻化する中国の就職事情

背景には深刻化する中国の就職事情があります。

中国の7月の若者の失業率は17.8%。大卒者のおよそ『半分』が就職できず、雇用情勢は厳しさを増しています。

利用者は次のステージを見据え、一時的な「居場所」として活用しています。

こちらの女性は大学院を出たものの就職することができず、現在は就職活動中です。

利用者(26歳・女性)
「安定した仕事に就きたいんです。ここは周りに多くの人がいて、寂しくない感じがします」

現在、失業中だという別の利用者は…

利用者(24歳・女性)
「自宅だと怠けてしまいますが、ここなら会社にいるように規則正しく過ごせます」

利用者にとっては、社会との接点がもてる、なくてはならない場所なのです。さらに就職や起業に向けた相談会などのサービスもあります。

この施設を立ち上げた社長自身もかつて失業を経験しました。

社長は“失業中でも殻に閉じこもるのではなく、その期間を人生のステップアップに繋げてほしい”と訴えます。

出勤偽装の会社を運営 朱冠霖社長
「出勤するふりをしたとしても、それは逃避ではなく、この時代の価値観を受け入れるための前向きな選択なのです」

失業している自分を『偽装』して景気低迷を乗り切る。たくましく前を向く中国ならではの新しい知恵なのかもしれません。