山口県宇部市で太平洋戦争中に水没し、183人が犠牲となった長生炭鉱の中から25・26日、人の骨のようなものが見つけ出されましたが、これが人の骨であることが27日、分かりました。事故犠牲者の遺骨だった場合、83年ぶりに日の目を見たことになります。

山口県宇部市の長生炭鉱は1942年2月3日、坑道の天井が落ちて水没。朝鮮半島出身者を136人を含む183人が犠牲になりました。事故犠牲者の遺骨はこれまで80年以上もの間、海底に取り残されたままとなっていました。

遺族への遺骨返還を目指す市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は約1年前、炭鉱内から遺骨を見つけ出すための潜水調査を始めました。これまでに沖側にある炭鉱の排気筒ピーヤから入って本坑道まで到達していました。

25日、遺骨収集に向けて緊急時用のタンクを炭鉱内に設置する作業をしていた韓国のダイバー2人が、本坑道の中から3本の遺骨と見られるものを見つけ出し、刻む会は警察に渡していました。また、頭蓋骨とみられるものも26日見つかり、警察に引き渡されました。

警察で確認が行われた結果、25日に見つかったのは左大たい骨、左上腕骨、左橈骨、26日に見つかったのは頭蓋骨(下顎骨除く)と判明しました。

人の骨と判明したことを受けて、井上洋子共同代表は「1日も早く政府に支援を求める交渉を進めたい」と述べました。