秋の味覚に早くも異変の予兆です。
秋の風物詩としてオレンジ色のカーテンのような吊るされた干し柿が有名な島根県松江市の西条柿。
去年はカメムシの被害で不作の年でしたが、実は今年も、収穫を1ヶ月半後に控えたこの時期に農家から心配の声があがっています。
全国一の栽培面積を誇る島根県の特産・西条柿。
渋抜きをした実は、甘くとろけるような食感が特徴です。
そんな西条柿の収穫が始まるのは、例年10月初旬。
松江市空山にあるカキ農園では今、摘果作業が行われています。
須山農園 須山大輝 代表
「西条柿は大きく実らさないといけないので、今だと、枝に(実が)いっぱいついてる状態をなるべく間引いて、栄養をひとつに集中させる」
しかし、大きくなりつつあるカキの実をみてみると。
西条柿の特徴の4つの溝が割れ広がってしまったもの、天狗の鼻か、バナナかのように突起が出ているものなど、歪な形をした実「奇形果」が
たくさん見られました。
須山農園 須山大輝 代表
「毎年、いくつかは出てくるものなので、たまに見るレアキャラみたいなものだが、今年は多いところでは、(ひとつの枝に)半分以上付いてたりする。残さないといけない枝に全部、奇形果がついていると、全部、取ってしまわないといけない」
カキは去年、猛暑とカメムシの被害により全国的に大凶作に見舞われました。
そして、今年も、不作の影が…。
原因は、続く今年の猛暑の影響かと思いきや、そうではないようです。
須山農園 須山大輝 代表
「(今年4月頃の)花が咲くタイミングで、温度が高かったり低かったりする寒暖差のストレスがひとつ。もうひとつは去年の7月頃、この枝の状態に次の年の実がつく芽が決まるが、そのタイミングで高温になっていたこと」
酷暑となった今年の夏ではなく、去年の夏、そして今年の夏前の気候が
影響している可能性が高いとのこと。
こちらの農園では、1.1ヘクタールのカキ畑で、10トン以上の収穫を目指していますが、今の状態では、不作だった去年と同じレベルの6トン程度になってしまう可能性も。
須山農園 須山大輝 代表
「1年かけて(育てて)ようやく採れるのが、最後採れなくなったりとか、中盤で収穫量が減るのが分かると、なかなか辛いものがある」
実の育ち具合いを見ると収穫も遅れる見込みで、去年に続き、カキの出来具合に農家は不安を募らせています。