新潟医療福祉大学の研究で交通事故で心停止になった人の生存率に地域差があることが分かりました。新潟は全国で生存率が低いエリアに分類されます。

【新潟医療福祉大学 医療技術学部 安達哲浩 講師】「最大で10倍差があった、都道府県によって」

この研究は2022年までの5年間に交通事故の被害に遭い、心停止に至った人のデータ9500件余りをもとに1か月後の生存率を都道府県別に割り出したものです。

【新潟医療福祉大学 医療技術学部 安達哲浩 講師】「東北の方が1か月生存率が低い傾向にあって、新潟は残念ながら1か月生存率が低い地域」

こちらは生存率を色別で示した図です。全国の中で生存率が高かった都道府県が青色で新潟を含む赤色は生存率が低かった都道府県を示しています。

生存率が高い地域では高度医療施設の数も多く、人口に対しての医師の数も多い傾向にあり、集中治療が必要な最も重症な患者に対応する救命救急センターなどへの搬送割合が高いということです。

その一方で…
【新潟医療福祉大学 医療技術学部 安達哲浩 講師】「救命センターに到着するそこまでの間で、医師による高度な措置ができない時間があるということ」

生存率が低い地域では救急救命士による口や鼻から気管にチューブなどを入れる高度な気道確保やアドレナリンなどの薬剤投与をした割合が高かったということです。

つまり、それらをせざるを得ないほど病院への搬送に時間がかかることを裏付けるデータだということです。

【新潟医療福祉大学 医療技術学部 安達哲浩 講師】「交通事故を起こした場所によって、助かった助からないかっていうのに地域差があるというのは解消していかなければならないんじゃないかなと」

9年前まで長岡市消防本部で救急救命士として働いていた安達 講師。救急車が走る道路の整備など社会のインフラ整備についても考える必要があると話していました。