およそ70年前に作られたローマ字の表記ルールについて、文化庁の審議会は今の一般社会に浸透している表記への変更を盛り込んだ答申をまとめ、文部科学大臣に提出しました。

日本で使われるローマ字のつづりは主に2種類あり、「し」を「si」「ち」を「ti」と表記する「訓令式」と「し」を「shi」「ち」を「chi」と表記する「ヘボン式」です。

1954年の内閣告示で「一般に国語を書き表す場合」に「訓令式」を使うと定められているため、学校ではローマ字の学習の際に「訓令式」が使われています。

しかし、パスポートや道路標識で採用されている「へボン式」が社会生活に広く浸透していることなどから、去年5月、当時の盛山正仁文科大臣が「時代に応じた整理」が必要だとして、ローマ字表記の在り方を検討するよう諮問。

これに対し、文化庁の審議会はきょう、「ヘボン式」に基づいた表記とする答申を阿部俊子文部科学大臣に提出しました。「judo」や「Tokyo」などすでに定着している表現は「直ちに変更を求めるものではない」としています。

答申を受け、年度内にも内閣告示が改正され、新しい表記となる見通しです。