太平洋戦争中に水没した山口県宇部市の長生炭鉱で、犠牲者の遺骨発掘を目指す市民団体が19日、遺骨収集にかかる費用などの支援を政府に求めました。

遺骨発掘を目指す市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が、厚生労働省と外務省に対し要望を伝えました。

宇部市にあった長生炭鉱は太平洋戦争中に水没し、犠牲者の遺骨は今も取り残されたままです。刻む会は炭鉱内の潜水調査を行い、旧坑道から本坑道とみられる地点に到達。

その前後が木材や岩で塞がれていることまで確認しています。会は「調査は進んでいる」として、必要な費用を補正予算に計上することなどを要請しました。

政府が集めた専門的知見の報告も再度求めましたが、厚生労働省は「安全性を確保できる策は得ていない」と答えました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「危険をいかに回避して安全にできるかという提言は一切ないということが明らかになったので、では次に進んでいただきたい。安全対策について国として支援していくのか、そういう段階に入っていただきたい」

話し合いの場には国会議員も出席し、今後、石破総理などに超党派で要望をしていきたい考えを示しました。