甲子園で開会式を迎えた東海大星翔は、初戦に向けて準備を進めています。その中で、代打の切り札と、甲子園に不思議な縁があるマネージャーを取材しました。

夏の甲子園2年ぶり4回目のに出場をしている東海大星翔。

熊本大会ではエースの水野右京(3年)が、最速137キロのストレートと大きく曲がるカーブで40キロの緩急をつけて相手打線を翻弄し、4試合に先発して30回2/3で防御率0.88を記録しました。
守りも堅く、失点は5試合で3にとどめ、先制を許さず勝負所で点を取る野球で熊本大会を制しました。

そんなチームにはチャンスにめっぽう強い代打の切り札がいます。3年生の秋田龍空です。
熊本大会は3回打席に立って2安打1死球と全ての打席で塁に出て、このうち決勝戦ではタイムリーを放ちました。
東海大星翔 秋田龍空選手(3年)「めちゃくちゃうれしかったです。今までバットを振ってきてよかった」
東海大星翔 野仲義高監督(44)「めちゃくちゃうれしかったですね、打った後の笑顔を見ると。ずっと打ていなくて下を向いている時期が長かったので」
というのも…
秋田龍空選手(3年)「足首にひびが入っていたので治るまで1か月はかかると言われていたけれど、春の九州大会が1か月以内にあったので無理をしてでもやりました」
3月、春の熊本大会の準々決勝で、レフトの先発メンバーだった秋田。
大会は9打数5安打の大活躍でしたが、ヒットを放って一塁ベースを踏んだ際に右足首の骨にひびが入り、全治1か月と診断されました。
秋田龍空選手「めちゃくちゃ悔しかったです。悔しさはあるけれど、切り替えて、代打で出たときにしっかり自信をもってバットを振れるように、日ごろの練習からバットを振る量を多くすることを心がけていました。1000本振った後でも課題練習でバットを振るようにしました」
野仲義高監督「一番バットを練習終わってからも振っている姿がありましたし、ここぞという場面で秋田をというのはずっと頭の中にありながら試合をしていました」
けがをしている間にも自分にできることを突き詰めた成果が実りました。
そして甲子園では…
野仲義高監督「右の代打ということは本人にも話して、本人もそのつもりで準備してくれています」
秋田龍空選手「甲子園だとめっちゃ気持ちが高ぶってしまうと思うので、代打になった時は冷静な気持ちで、つなぐバッティングしたい」

熊本大会優勝のキーマンは選手だけではありません。

東海大星翔 植島愛莉マネージャー(3年)「お兄ちゃんとお姉ちゃんの時に甲子園に行きました」
マネージャーの植島愛莉さんは、兄と姉がそれぞれ東海大星翔の野球部に所属していた2018年とおととし、チームは夏の甲子園に出場しています。
植島愛莉さん「お父さんや兄姉みんな野球部だったので、自分も野球部に入って甲子園を目指したいと思った」
父も、東海大星翔の前身の東海大二の野球部OBです。
父 植島潤一さん「自分がダメだった甲子園という夢を子ども達が引き継いでくれた。それも3人も連れて行ってくれることに本当に感謝の言葉しかありませんね」
ただ、甲子園のベンチに入れるマネージャーは試合ごとに1人だけ。3年生のマネージャーは5人いて、愛莉さんは3回戦まで勝ち進むと入れます。
「最高の舞台で一緒にプレーして、ベンチに
入って最高な思い出を作れるように頑張りたい」
(東海大星翔 比嘉健太主将(3年))
東海大星翔の初戦は大会6日目(今月10日)第2試合で、南北海道代表の北海と対戦します。北海は夏の甲子園に全国最多となる41回目の出場を決めた名門校です。
注目はエースで左のサイドスロー浅水結翔(3年)。決勝では、札幌日大打線を3安打に抑え、完封で甲子園出場を決めました。この浅水を打ち崩してまずは念願の甲子園初勝利を決め、深紅の大優勝旗を目指します。