今年は戦後80年です。山口県周南市で3日、人間魚雷「回天」をテーマにした演劇が上演されました。



周南市文化会館で上演されたのは、人間魚雷「回天」をテーマにした演劇「あゝ大津島碧き海」。

兵士が魚雷を操縦し、敵艦などに体当たりする特攻兵器「回天」。

訓練基地があった大津島からも多くの若者が出撃し、命を落としました。

1年弱の回天作戦で搭乗員106人が亡くなり、平均年齢は20.9歳でした。

演劇は「回天」の故障により、出撃できなかった男性が当時を振り返る中で、海に散っていった若者たちの思いを描いています。

恋人との別れのシーン
「私を置いて行かないでください。必ず、必ず私のところに帰ってきてください」

戦後80年の節目に合わせ、周南市が開きました。

山口市出身のシンガーソングライター・ちひろさんも、音楽教師役で出演しています。

演者は全員戦争を経験してはいませんが、元特攻隊員の話を聞いたり、大津島を訪れたりしてその事実と向き合ってきました。

当時を知る人が少なくなっている中、戦争の悲惨さや平和の尊さを芝居を通して伝えました。

中学生
「命の大切さとか、改めて今生きていることに感謝してる」

高校生
「やっぱ人が乗って特攻するっていうのは、非人道的でこれ以降もあってはならないことだと思う。誰かがやらないといけないで済まされていいことではないと思う」

3日はおよそ930人が訪れました。

「戦争を繰り返してはならない」という思いは、次の世代にも引き継がれていきます。