5日に開幕した夏の全国高校野球。選手たちのひたむきなプレーに視線が集まるなか、もうひとつ風物詩となっているのが「校歌」。
高知代表・高知中央高校が初出場を果たした2023年、「僕らの学び舎」と題した校歌が甲子園に流れると、「エモい」「まるで卒業ソング」とSNSを中心に話題となった。この夏、再び校歌が甲子園にこだますることに、作詞作曲のシンガーソングライターも期待を寄せている。
学校名も地名もない校歌 「高校生に寄り添える歌を」
「僕の町を流れるあの川は知っている 毎朝最初のチャイムが鳴った後の静けさ」
こんな歌詞で始まる高知中央高校の校歌『僕らの学び舎』この校歌には、校名や地名が一切入っていない。
校歌を作詞・作曲したのは高知出身のシンガーソングライター・矢野絢子さん。当時、学校側から「歌詞に校名を入れなくてもいい、自由に作ってほしい」と依頼を受けた。

そこで「高校生は多感な時期。一人ひとりの思い出に寄り添えるような曲を」と考え制作したのが、「僕らの学び舎」だ。“三拍子のフォーク調”にみずみずしい歌詞。メッセージ性があり、すっと心に入ってくる歌だ。
初めてお披露目されたのは2005年の入学式。18年の時を経て、2023年の夏の甲子園で、全国に知れ渡った。
甲子園で校歌が披露されるのは、初戦に限り2回の攻撃時と勝利した試合終了後。初戦で勝てば2回チャンスがあるということになる。2年前の大会で1回戦を突破した高知中央高校。その校歌が流れるとSNSを中心に、「エモい」「泣きそう」「まるで卒業ソング」と話題となった。
夢の舞台で自身がつくった校歌が響き渡り、ひと際感銘を受けたと当時を振り返る矢野さん。「あの感動をもう一度」とナインに一層熱い視線を送る。
▼矢野絢子さん
「この校歌が生まれたのが2005年、時を経てまさかこの歌を甲子園で聴くことができるとは、と感動した2年前の夏。そして今年また彼らが甲子園の土を踏むということで胸を熱くしています。私も全国をまわるライブで、この校歌を歌って応援したいと思います。」