女優の富田靖子さんが27日、東京・新宿 紀伊国屋サザンシアターで開催された「井上ひさしの魂を次世代へトークショー」に登壇しました。

「井上ひさしの魂を次世代へトークショー」



作家・劇作家の故・井上ひさしさんが描きたいとしていたヒロシマ・ナガサキ・オキナワ。原爆から3年後の「ヒロシマ」を舞台に「父と暮らせば」を描いた井上ひさしさんでしたが、その後、描くことが叶わなかった「ナガサキ」「オキナワ」を井上さんの三女で、劇団こまつ座代表取締役を務める井上麻矢さんが遺志を継ぎ、メモや資料を基にナガサキを「母と暮らせば」でオキナワを「木の上の軍隊」(公開中)として製作し、「戦後“命”の三部作」として人気を博しています。


この日は富田靖子さんと松下洸平さんが主演し、親子役を演じた2024年版の「母と暮らせば」が上演され、その後トークショーが行われました。

富田靖子さん



こまつ座代表取締役を務める井上麻矢さんに招き入れられた富田さんに“富田さんはこの「母と暮らせば」の公演が終わった後、なかなかトークショーができるようなお芝居(シリアスで)ではなかったんですよね”と語りかけると、富田さんは“はい、でも初演の2018年の時は、何度かアフタートークショーを麻矢さんと私と松下さんでお話しした記憶があります”と明かすと、麻矢さんは”今思うとすごく酷なことをさせてしまったような…”と話しかけると、富田さんは“はい、麻矢さんは酷でした”と返して笑わせました。

最初のオファーを受けた際を振り返り、富田さんは“まだ台本も出来ていなくて、吉永小百合さん、二宮和也さんの映画を見て「これが舞台になるんだ」と思い、その重圧に耐えられるんだろうか?”と、かなりのプレッシャーを感じていたそうですが、麻矢さんのたたずまいに思わず「はい」と答えてしまったことを回想。

続けて、富田靖子さんは、届いた台本を見た際、膨大なセリフ量に“失敗した!うなずくんじゃなかった”と大変なものを受けてしまったと、後悔したとあけすけに告白。

麻矢さんは“私は、この役を靖子さんに絶対やってもらいたくて、靖子さんの目から、絶対に目を逸らすまいと…”と、オファー当時の決意を明かし、富田さんは“なにか職員室で怒られている生徒のような気分で、おもわずうなずいてしまった”と苦笑いしていました。

富田靖子さん




ただ、この日は、楽屋で舞台映像を鑑賞している中、自身の中に新たな課題が見つかったようで、“まだまだ自分にはやり残したことがあったんだと再確認しました”と語り、“それはどこ?”と聞かれると、富田靖子さんは“私は呼吸が浅くて、感情が入るシーンではどうしても気持ちが先走り浅くしか吸えないため、長セリフでどうしても、セリフの間に呼吸音が入る”と反省し、“松下さんはちゃんと吸えているので、「これは負けていられない、私もセリフをちゃんと届けたい」と思いました”と次回への意欲もみせていました。

松下さんの印象について、富田さんは“息子役なのにお父さんであり、お兄さんであり友達であり、そして役者仲間であり、心強い存在です”と語り、舞台経験も豊富な松下さんに全幅の信頼と敬意を持っていることを語りました。

富田靖子さん


そんな松下洸平さんが、この日一般人の方と結婚したという報道を受け麻矢さんは“そんな松下さんも、今日ちょっとうれしい知らせが”と振ると、富田さんは“はい!お母さんびっくりです。でも末永くお幸せに、そして舞台で一緒にお芝居出来たらって思います”と喜び、“お母さんは、新たな松下洸平さんを体験したいなと思うので目いっぱい、お幸せに、そしてお芝居ではいろんな顔を見せていただいて、私はこっそり、それを吸収したいです”とお茶目に語りました。

富田靖子さん



イベント後改めて、松下さんの結婚について聞かれた、富田靖子さんは“私は今朝、麻矢さんの方から聞きました”と語り、麻矢さんから〝私は事前に伺っていたんですけど、お母さん(富田)には「連絡する」って言っていたので”と明かされると、富田さんは“たぶん忘れています。もう「おめでとう、幸せに!」(メールを打つ仕草で)と連絡をしたいと思います”と笑顔を見せ、“でも本当に一緒に頑張ってきた仲間がこうして幸せをつかんで、次の新たなステージで芝居ができると思っているので、次回一緒にもしお芝居できるのなら、すごくすごく楽しみです”と自分事のように喜んでいました。

【担当:芸能情報ステーション】