参議院議員選挙の投票が進む中、高知県香美市で、選挙区と比例代表の投票用紙を取り違えて交付していたことがわかりました。発覚するまでに20人が投票を済ませていて、誤って記入されていた場合、無効になる可能性があるということです。

香美市選挙管理委員会によりますと、20日午前10時ごろ、香美市土佐山田町の投票所で、投票用紙を交付する投票管理者の男性が、「選挙区と比例代表の投票用紙を取り違えて交付していた」ことに気付きました。この投票所では投票用紙の交付を投票管理者が1人で行っていて、「普段は投票用紙を発行する機械を、選挙区は左側、比例代表は右側に置いていますが、今回は逆に置いていたことが原因」と見られています。

投票開始から誤りに気付いた3時間ほどの間に、すでに20人が投票を済ませていて、比例代表の投票用紙に選挙区の候補者名が書かれたり、選挙区の投票用紙に政党名や比例候補者名が記入されたりしてした場合、無効となる恐れがあるということです。現在は、投票用紙を発行する機械を元の位置に戻した上で、交付する際に間違いがないよう周知徹底し、再発防止策を講じているということです。

香美市選挙管理委員会の松尾禎之(まつお・さだゆき)委員長は「民主主義の根幹たる選挙において、あってはならない事態が起こってしまったことにつきまして、深くお詫びを申し上げます。今後は事前説明の場で、投票所での確認事項等を徹底し、適正な選挙事務を遂行できるよう、一層気を引き締めて取り組んでいきます」とコメントしています。