福岡地裁「被告人のために酌むべき事情を最大限考慮しても、執行猶予を付す余地のある事案とはいえない」

福岡地裁は被告人（父親）についての有利な事情として
・被害者の母親（被告人の妻）との間で離婚した上で養育費や定期的な謝罪金を支払うなどの示談が成立していること
・父親が事実を認めて反省の言葉を述べていること
・父親が保釈中から心療内科に通院していたこと
・被告人の父親が引き続き被告人と同居して監督する旨誓約していること
・前科がないこと
・被害者の母親も被告人を宥恕（寛大な心で許すこと）し、養育費等の支払いのためにも執行猶予付き判決を望んでいること
を挙げた。

そのうえで、福岡地裁は「被告人のために酌むべき事情を最大限考慮しても、執行猶予を付す余地のある事案とはいえない」として懲役3年6か月の実刑判決（検察側求刑:懲役5年・弁護側の科刑意見:執行猶予付き判決）を言い渡した。

この事件は弁護側が即日控訴したため、福岡高裁で再び争われることになる。

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