ヨーロッパの研究チームが南極で120万年以上前のものだとする氷の採取に成功し、イギリスでその氷が公開されました。

記者
「こちらが南極から持ってきた120万年前の氷だということです。とても透明できれいなのですが、よく見ると、小さな気泡が入っているのがわかります」

イギリス南極観測局で17日に公開されたのは、南極大陸の氷床を2800メートルの深さまで掘って採取した氷です。120万年以上前のものだとしていて、南極の氷床で採取された「最も古い氷」となる可能性があります。

イギリスやイタリア、フランスなど10か国の研究機関のメンバーが3年以上かけて採取しました。

南極では降った雪がとけずに押し固められて氷となるため、そこに含まれる気泡を調べることで、当時の気温や大気の成分などがわかります。

英国南極観測局 氷床コア研究部 リズ・トマス部長
「重要なのは、これまで見られなかった時代を観察する機会を得たことです。120万年前、できれば150万年前まで遡ることを目指しています」

イギリス南極観測局では、最も深いところにあった190メートル分の氷をとかしたり、砕いたりして分析する予定で、気候変動の解明やより正確な将来の予測につなげたい考えです。