今年7月から9月までのGDP=国内総生産は、年率換算で1.2%の減少となりました。4四半期ぶりのマイナスです。

内閣府が発表した7月から9月期のGDPは「実質」で前の期と比べ、0.3%のマイナスとなりました。年率に換算すると1.2%の減少で、4四半期ぶりのマイナス成長になりました。

3年ぶりの行動制限のない夏休みで、サービス消費の大幅な増加が期待されましたが、新型コロナの感染第7波の影響で、個人消費が伸び悩んだことなどが影響しました。また、輸入が大きかったことがGDPを押し下げました。

内閣府は「国内の企業から海外企業への広告マーケティング関連の支出が大きかった」ことが輸入増加の要因だとしています。

後藤大臣は談話を発表し、「民需を中心として景気は緩やかに持ち直しているという姿に変わりはない」とし、先行きについては「総合経済対策を含めた各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される」とコメントしています。

一方で、「物価上昇が続く中で、家計の実質所得の減少や企業のコスト上昇など、家計・企業を取り巻く環境には厳しさがみられ、さらに、欧米において金融引締めが続くなか、世界的な景気後退懸念に注意が必要である」とも指摘しています。

一方、大和証券のチーフエコノミスト・末廣徹氏は今後の先行きについて、▼コロナ第8波で再び個人消費が伸び悩む可能性や、▼旅行や飲食店などサービス消費の現場での人手不足が供給制約となる可能性があると話しています。