愛媛県の松山城の城山で発生した土砂災害から12日で1年です。被災したマンションの管理組合が松山市に対し、再度、住民説明会を開くことなどを求め、署名を提出しました。

松山城の城山で去年7月12日に発生した土砂災害では、ふもとの緑町の住宅が倒壊し一家3人が死亡したほか、周辺のマンションや店舗なども大きな被害を受けました。

発生から12日で1年を迎えるのを前にマンションの管理組合が11日、48世帯およそ90人から集めた署名と意見書を松山市の鷲谷開発建築部長に手渡しました。

また、管理組合の松村崇文理事長が、土砂災害との関連が指摘されている山頂付近の緊急車両用道路について再検証を行うことや、住民説明会を再度、開くことなどを求めました。

(松山市開発建築部・鷲谷浩三部長)
「署名や意見書をいただいたことは、必ず市長に報告いたします」

(マンション管理組合・松村崇文理事長)
「核心部分はなにも説明されていない。それを僕たちは愚直に、毎回毎回同じことになるが、向こうがちゃんとした回答が貰えるまでは、要望書などで頑張っていきたい」

これまでの市の対応について松村理事長は、「残念な点が多い」と憤り、「住民に真摯に向き合ってほしい」と訴えました。

こうした中、マンションの住民有志は、土砂災害の原因究明を独自に進めるため、新たな会を設立しました。

(松山城とともに生きる会・坂本章太さん)
「法律や土木の専門家と相談し、独自の調査と検証を進めていく。その結果を取りまとめ、行政との対話の場を設けることを目指していく」

11日の記者会見には、住民たちを支援する土木設計エンジニアも出席し、「松山市が行った土砂災害の調査結果を点検したところ、資料の中に誤りが複数見つかった」と主張しました。

この会では、今後、市民の参加を広く募り、土砂災害の原因究明のほか、市を相手取り裁判を起こす可能性も検討するということです。