島原鉄道(長崎県島原市)は、2025年3月期決算で経常利益が253万5千円となり、32年ぶりに経常黒字になったと6月27日に発表しました。

長崎県の島原半島を中心に鉄道事業や自動車運送事業などを手がける島原鉄道は、雲仙普賢岳の噴火災害以降、沿線地域の過疎化や交通・生活様式の変化で慢性的な赤字となっていました。

コロナ禍の2020年には赤字を逆手にとった自虐グッズ、3色すべて赤色という「赤字ペン」がSNSなどで話題に。

さらに2022年には赤字を消すことができる「赤字フリクションペン」を発売。

本業の鉄道では、列車内で島原のランチやスイーツが楽しめる「カフェトレイン」列車にそのまま自転車を積み込める「サイクルトレイン」などを展開。コロナ禍からの復活を目指していました。

島原鉄道の事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)によりますと、船舶での運賃引き上げや、ホテル事業での宿泊料金改定、長崎バスグループとの連携強化などの結果、売上高にあたる営業収益が17億9684万9千円、経常収益が253万5千円で32年ぶりに経常黒字となりました。

ところで、今後「消えない黒字ペン」を発売するのかを聞いたところ、島原鉄道の担当者は「経営的に厳しい状況はまだ続くので、まずは経営の安定化に取り組んでいく」と話しています。