夢のコラボが実現しました。太陽と地球と月が一直線に並び、満月が地球の影に覆われる「皆既月食」。さらに、太陽系の7番目の惑星である天王星が月の後ろに入り込む「天王星食」が同時に起こる天体ショーが8日、日本各地で観測されました。皆既食中に天王星食のような惑星食が見られるのは、実に442年ぶりのことです。
■442年ぶりダブル天体ショー 「皆既月食」×「天王星食」

8日夜、地上から238メートルの高さにある東京・六本木ヒルズの屋上展望台が天体観測の場になりました。
山本恵里伽キャスター
「皆既月食を肉眼で観測するために天体望遠鏡も設置されていまして、人も続々と集まってきています」
観測会に参加したのは、約100人。みんな、空を見上げています。

参加者
「宇宙とか星って色々と不思議が多くて、好きだから」
参加者
「子どもにとってすごく良いイベントだなって思いまして」
今回の「皆既月食」が注目されるわけは・・・。

天文学普及プロジェクト「天プラ」土屋智恵さん
「同時に太陽系の惑星の天王星も一緒に隠れる天王星食が起こるので珍しい。442年ぶりということで注目されています」
「皆既月食」は、太陽と地球と月が一直線に並び、満月が地球の影に覆われる現象のこと。

今回は、太陽系の惑星のひとつ、天王星も直線上に並び、月に隠れる「天王星食」がみられるのです。

天王星は、太陽系の中で、木星、土星に次いで3番目に大きな惑星ですが、地球と月の距離の約7600倍も離れているため、肉眼でギリギリ見えるかという明るさです。

前回、日本で皆既月食と惑星食がみられたのは、安土桃山時代。この時は「土星食」だったそうですが、ひょっとするとあの織田信長も見ていたかもしれません。

山本キャスター
「見て下さい、月、欠けはじめましたよ」

午後6時9分すぎから月の端が地球の影に隠れる「部分食」がはじまりました。
参加者
「めっちゃキレイです」

少しずつ地球の影に呑み込まれていく月…。

午後7時16分ごろ、月が完全に地球の影に入る「皆既食」が始まりました。

天体観測している子ども
「さっきより赤くなっていてすごく不思議な感じ」
月が赤っぽく見えるのは、太陽の光が地球の大気によって屈折し、波長の長い赤い光が月を照らすためです。
そして、もうひとつの世紀の天体ショー、「天王星食」。月の下に小さく見える光が天王星です。

午後8時41分ごろ、天王星が月に隠れました。

山本キャスター
「肉眼では見えないですね」
午後9時22分ごろ、天王星が再び姿を現しました。

皆既月食と天王星食のダブル天体ショー。国立天文台によりますと、次に同時に皆既月食と「惑星食」が、見られるのは、322年後だということです。