カナダで開かれていたG7サミット=主要7か国首脳会議が閉幕しました。アメリカのトランプ大統領の途中退席で、結束が難しいG7の現状がはっきりと示されました。

カナダ・カナナスキスで開かれたG7サミットの2日目。注目はゼレンスキー大統領を交えたウクライナ情勢への対応でした。

カナダ カーニー首相
「ヨーロッパの同盟国などとともにウクライナを支援していきます。はっきり言っておきますが、我々の支援はウクライナが公正な平和を得るまで揺らぎません」

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「我々は和平協議や無条件の停戦に応じる用意があります。しかし、それには(ロシアへの)圧力が重要です」

2022年のロシアの侵攻開始以降、G7サミットは主要国が一致してウクライナへの支援を打ち出す重要な舞台となってきましたが、今回、そこにアメリカの首脳・トランプ大統領の姿はありませんでした。

「中東情勢への対応を行う」としてサミットを途中退席し、帰国の途についたトランプ氏は…

アメリカ トランプ大統領
「G7でやるべきことは全部やった」

ロイター通信によりますと、今回のサミットではウクライナ支援を確認する共同声明のとりまとめを目指していましたが、ロシアへの非難を含む文言にアメリカが反発し、G7としての発表は見送られたということです。

石破首相
「G7と協力をしながら、引き続き、お国を支援してまいります」

アメリカを除く各国からは新たなウクライナ支援やロシアへの制裁の表明もありましたが、G7としての一致した行動は打ち出せず、去年までのサミットとの違いがはっきりと示されました。

カナダ カーニー首相
「和平実現に向けたトランプ大統領の取り組みの重要性については完全に同意しました」

議長国カナダのカーニー首相はG7首脳の考えはあらゆる点で一致したと強調しましたが、単独行動を重視するトランプ政権とどこまでともに歩むことができるのか、今後に大きな不安を残すサミットとなりました。