コメの価格が高騰する中、注目されている食材があります。混ぜて炊くとかさが増す「もち麦」です。
生産が盛んな香川県善通寺市でも問い合わせが増えています。コメの価格高騰と品薄が続き、政府が備蓄米の放出に踏み切った「令和の米騒動」です。

そんな中人気が高まっているのが、善通寺市でも生産が盛んな「もち麦」です。

(善通寺市農地管理公社 高畑強さん)
「6月のあたまにかけて収獲したもの、中に入っているのは玄麦になります。

今年207トンほど収獲して、すでに40トンほどは加工に回しています」

この場所で保管しているのは、もち麦「ダイシモチ」です。

善通寺市で開発された大麦の一種で、収穫期には紫がかった穂をつけるのが特徴です。

食物繊維が豊富として約10年前にブームになった「もち麦」が再び注目されています。

(善通寺市農地管理公社 高畑強さん)
「ここ1、2年で2割から3割という感覚で伸びているのかなと、想定していた以上に需要が伸びています。今年、収獲した分については、即販売に回した状況です」

ダイシモチを販売する店では、売り上げが約2倍に伸びています。

(ダイシモチを扱う会“まんでがん” 内田和樹課長)
「コメの高騰や品薄といったところが一番の原因と考えられます」

人気の理由のひとつが吸水率の高さです。1合炊くのにコメは150グラム必要ですが、もち麦はよく水を吸うので100グラムですみます。

コメに混ぜて炊けば、かさましできるとしていま需要が伸びているのです。

(まんでがん 内田和樹課長)
「最近、もち麦を購入する客が増えたのかなと思います。5月は端境期になっていて、麦が足りなくなった。今年は収穫以降もそれに近い推移になっている」

善通寺市では、この「ダイシモチ」が、ふるさと納税の返礼品になっています。コメの価格が高騰しはじめた昨年度は、前の年度と比べて約1400件申し込みが増えました。今年度はさらに上回るペースです。

(善通寺市農地管理公社 高畑強さん)
「このまま順調に需要が伸びて欲しい、ただ需給バランスをとるのが難しいですが、みんなが知ってくれた、食べてくれたというのを広げていきたい」

備蓄米が放出されたとはいえ、当面、収束が見えない米騒動の中で、「もち麦」は食卓の救世主なのかもしれません。