岐阜市で行われる「ぎふ信長まつり」の目玉イベント「騎馬武者行列」に俳優の木村拓哉さんが参加します。予想される人出はなんと60万人。韓国での群集事故の記憶も新しい中、地元では期待と不安が入り混じった声が聞かれました。

■「俺もやってみたい」木村拓哉さんが信長に 人出60万人に厳戒態勢

岐阜市にある岐阜グランドホテルのロビーには、あの大スターのポスターが。

ホテルの予約センター長
「木村拓哉さんの力はすごいなと。全国エリアから予約が入りました。通常私どものホテルではありえない状況」

織田信長に扮した俳優の木村拓哉さん。



11月6日行われる「ぎふ信長まつり」の騎馬武者行列に参加する予定です。

2023年公開の映画で織田信長役を務める木村さん。共演する岐阜県出身の伊藤英明さんから祭りの話を聞き「おれもやってみたい」とノーギャラでの出演が決まったといいます。

騎馬武者行列の観覧の定員は1万5000人。しかし、木村さん効果で96万人以上の応募が殺到し、倍率はなんと64倍。

応募した女性は…。

「当たりますように。会いたい、キムタクに会いたい。あー落選!わー!こんなに待ったのに落選だ」

騎馬武者行列は、岐阜駅近くの大通り約1キロメートルの片側車線を練り歩き、当選者は反対車線エリアで観覧することになります。しかし、脇道からも見物することができてしまうため、多くの人が訪れることが予想されているのです。



2009年に伊藤さんが信長役で行列に参加したときも歩道に多くの人が詰めかけていました。

行列のルートに面したこちらの自転車店には、こんな問い合わせが増えているといいます。

「2階の部屋を貸してくれとか、見せてくれと部屋を貸して。そういう、ちょっとずれたお願いをされる方もいる」

地元シンクタンクは、60万人の人出を予想。地元は大歓迎かと思いきや、複雑な心境のようです。

地元の果実店
「期待と不安が入り混じってて当日になってみないとわからない」

行列ルートに面する自転車店
「韓国のことがあったのでみんな不安がちょっとずつ来てるのかな、あまり口にしなくなった」

脳裏をよぎるのは、156人が死亡した、韓国・ソウルでの群集事故です。

岐阜市と警察は神経をとがらせています。激しい混雑が予想されるJR岐阜駅の周辺では…。

当麻葵記者
「駅に繋がる階段は騎馬武者行列終了後、下り専用となる予定です」

行列終了後は、階段や歩行者用デッキ、地下道なども事故防止のため使用できなくなります。

また警察は、帰宅客らの誘導を行うため、いわゆる「DJポリス」を配置するなど例年の7倍から8倍程度にあたる厳戒態勢で警備にあたる方針です。

地元の人は、韓国の事故現場とは状況が違うとしながらも、こう訴えます。

地元の果実店
「快晴の下、凛々しい姿のキムタク、伊藤さん見られると思うんですよ。だけど人が集まりすぎた、将棋倒しになったなんてことになるとパレード自体が中止になる可能性もある。なのでモラルをもって行動してもらいたい」