多額の不正融資問題で、経営陣を大幅に刷新する方針の福島県のいわき信用組合で、3日から、組合員の代表者=総代に対して説明する総代会が始まりました。そして、信頼回復に向け、組織のかじ取りを担う理事長など新たな経営陣は、2日に立候補の受け付けが締め切られ、13日の総代会を経て、正式に発足します。

経営陣は不正の全容解明など、信頼回復に向けた重責を担うことになりますが、金融庁が求めている改善計画は6月末が提出の期限となっていて、新体制発足から2週間あまりしかありません。

これに加えて、信用組合側が、真相の解明に非常に後ろ向きな姿勢が、第三者委員会の報告書でも指摘されています。

去年10月から11月、一連の不正が明らかになった後、役員が自宅で重要な証拠が入ったノートパソコンをハンマーで破壊したとされています。パソコンを破壊した役員は、「誰からの指示でもなく、独断によるもの」と説明しています。

第三者委員会は、「保存されていたデータは極めて重要性の高い証拠物だった」としたうえで、「調査が開始される段階で意図的に破壊・処分したということであれば、言語道断の行為」と強く批判しています。

このほかにも、無断で作った口座のリストについて、第三者委員会は、本来記載されていることが記載されていないなど、不自然な点があることも指摘しています。その上で、「実際のデータは現存しているがそれを提出せず、新たに作成して提出した疑いがある」としています。

調査に対し、非協力的なだけでなく、一種の妨害とも受け取れる行為を繰り返しているような状況です。2週間という短期間で、納得ができる改善計画が提出できるのか。新たな経営陣はそのスタートから、難しい対応を迫られることになりそうです。