アメリカ海兵隊がUH-1ヘリコプターからバッグを落下させた事故で、アメリカ軍と沖縄防衛局は23日、地上からのバッグの捜索を打ち切りました。

今月13日、アメリカ海兵隊が普天間基地所属のUH-1ヘリコプターから発火性のある発炎筒などが入ったバッグを落下させ、アメリカ軍と沖縄防衛局が今帰仁村と名護市で捜索を続けてきました。

沖縄防衛局によりますと、アメリカ軍は1日あたり60人態勢で行っていた地上での捜索をこの日で打ち切り、今後は沖縄防衛局のドローンを使った空からの捜索のみに切り替えるということです。

落下から10日目にしてバッグは見つからないまま、捜索の規模が縮小されることになります。

今回の事故についてアメリカ海兵隊は、訓練のためドアを開けて飛行した際に、バッグを固定していたマジックテープが外れ落下したと説明していますが、航空機事故に詳しい元陸上自衛隊のパイロット山口昇さんは…。

▼元陸自パイロット・山口昇さん
「(機体が)落とされて不時着をしたときに、ドアが開かなくなるような事態は、火が出る前に乗員が脱出できないということになりますから、ある意味で乗員の安全のためですよね」

より実践に近い形で訓練を行うため、アメリカ軍側がこの飛行方法を見直す可能性は低いと指摘。

また、バッグの中に入っていた発炎筒が自ら発火することはほとんどないとしつつ、学校や住宅地も近い場所で重さおよそ18キロのバッグが落下したことの危険性を強調しました。

▼元陸自パイロット・山口昇さん
「ひとつの大事故の裏には、30件の中くらいの危険行為があって、その背景には300の小さな不安全行為があるということなんですよね。不安全のときに摘み取る努力をしないと大きな事故につながりますので」

沖縄が本土に復帰した1972年以降、アメリカ軍機からの落下事故は80件にのぼり、今後、新たな事故を起こさないために安全対策の徹底を強く求める必要があります。