富山県黒部市で例年とは異なる異変が起きています。黒部川からの大量の砂が用水路を通じて田んぼに流入し、深刻な堆積被害をもたらしているのです。農家からは水を入れられず田植えができないと、困惑の声があがっています。

加賀谷悠羽記者「田植えのシーズンですが、こちらの田んぼ、川から流れ込んできた砂が溜まってしまっています。同様に、対岸の田んぼも取水口付近に砂が溜まっています」

黒部川左岸土地改良区によりますと、黒部川から流れ込んだ砂が田んぼに堆積する被害が、若栗、浦山、荻生地区を中心に、今月上旬から確認されているということです。

通常、川から流れ込んだ砂は「沈砂池」と呼ばれる池で取り除かれますが、ことしは、川を流れる砂が例年より多く、用水を通って田んぼにまで流れ込んでいるとみられます。

しかし、詳しい原因はわかっていません。

加賀谷悠羽記者「こちらの用水路ですが、砂が厚い層になっているのが見てとれます」

この田んぼでは、流れ込んだ砂が取水口を塞ぎ水が入れられず、今も田植えができません。

土地改良区から委託を受けた土木業者が、重機で砂を取り除いています。

土木業者「田んぼに水を入れる口があるんですけど、そこよりも砂が30センチほど上がった。これだけ(砂が)たくさん入ってきたのは、初めてじゃないですかね」

被害を受けたコメ農家「田植えはこの後したいんですが、まず砂をとってから。7月ごろまで水いりますね。大変です」

沈砂池を管理する北陸電力が2度にわたり、池の砂を取り除きましたが、現在も、用水への砂の流入は続いています。土地改良区は、黒部川を管理する国交省などとも連携し、対応を協議するとしています。