国連は、イスラエルが攻撃を激化させているパレスチナ自治区ガザに支援物資が入ってきているものの、住民のもとに届いていないと明らかにしました。

国連のドゥジャリク事務総長報道官は、支援物資を積んだトラックについて、19日には4台、その翌日には数十台がガザ地区に入ったと、20日に行われた会見で明らかにしました。

イスラエル当局が荷物の積み直しを求めるなど手続きが煩雑になっていて、支援物資はまだ倉庫には届いていないとしています。

そのうえで、物資を倉庫や配布拠点まで安全に運搬するためのルートを確保することも課題だとしています。

こうしたなか、停戦交渉を仲介するカタールのムハンマド首相兼外相は20日、イスラエルとイスラム組織ハマスの間に「根本的な隔たりがある」と述べ、交渉が進んでいないと明らかにしました。

ロイター通信によりますと、ハマスは声明で、「イスラエルは国際世論を誤った方向に導くため、交渉に参加するふりをしている。真の交渉は行われていなかった」などと非難。

一方、イスラエル首相府は声明で、カタールで交渉にあたっていた代表団のうち、高官らを帰国させると発表しました。

実務担当者らはカタールにとどまるとしていますが、イスラエルが作戦を拡大させるなか、さらなる情勢の悪化が懸念されます。