パレスチナ自治区ガザで軍事作戦を拡大させるイスラエル軍は、新たに大規模な地上作戦を開始したと発表しました。連日、一日あたりの死者が100人を超えるなど、ガザでは犠牲者が急増しています。

イスラエル軍は18日、ガザ北部と南部で大規模な地上作戦を開始したと発表しました。

軍は、今月16日に軍事作戦の拡大を発表して以降、ガザ全域で空爆するなど激しい攻撃を続けていて、これまでにハマスの拠点など670か所以上を攻撃したとしています。

中東アルジャジーラによりますと、18日、ガザでは少なくとも144人が死亡したということです。

連日、一日あたりの死者は100人を超えるなど犠牲者に歯止めがかからず、今後、新たな地上作戦によりさらに被害が拡大することが強く懸念されています。

こうしたなか、イスラム組織ハマス高官がイランメディアの取材に応じ、仲介国のカタールで行われている停戦交渉について、イスラエル側から「受け入れられない提案を受けた」などと述べました。

イスラエルは、停戦や人質解放の交渉が合意に至れば現在の作戦を中止するものとみられますが、双方の要求には依然として大きな溝があり、交渉は難航しています。

こうしたなか、イスラエルのネタニヤフ首相は声明を出し、ガザへの最低限の食料の搬入を認めると明らかにしました。

イスラエルは3月にガザへの人道支援物資の搬入を停止していて、ガザでは食料などの不足により人道状況が極めて悪化。国際社会からは懸念の声やイスラエルに対して搬入を再開するよう求める声が相次いでいました。

ネタニヤフ氏は搬入を許可した理由について、「飢餓が発生すれば、16日に開始したガザでの大規模な作戦の継続が危ぶまれるためだ」と説明しています。

ただ、イスラエル軍は地上での大規模な作戦を開始していて、ガザの住人が食料支援を受け取ることができるのかといった懸念も指摘されています。