イランの核開発をめぐるアメリカとの協議が続くなか、トランプ大統領はアメリカがイランに対して合意に向けた案を示したことを明らかにしました。

アメリカ トランプ大統領
「イランは提案を受け取った。重要なのは、彼らは迅速に行動しなければならないということだ。(そうでなければ)何か悪いことが起こるだろう」

トランプ大統領は16日、このように述べ、アメリカがイランに対して、核合意に向けた案を示したことを明らかにしました。

トランプ氏は提案の具体的な内容については明らかにしませんでしたが、「早く行動しなければならない」と述べ、早期の進展を求めました。

イランの核開発をめぐっては、アメリカとイランの代表団がこれまで4回にわたって協議を行っていて、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、11日に行われた協議で提案を伝達したと報じています。

こうしたなか、イランの外務次官は16日、トルコでイギリス、フランス、ドイツと外務次官級の協議に臨んだことを明らかにしました。

アメリカとイランで行われている協議について議論したうえで、今後も外交努力を続けることで一致したとしています。

一方、イランのアラグチ外相は16日に自身のSNSを更新し、「アメリカからいかなる案も受け取っていない」と明かしました。

そのうえで、アメリカが要求しているとされるウラン濃縮の完全停止を念頭に、「イランが苦労して獲得した平和目的の濃縮の権利を放棄するシナリオはあり得ない」などと、これまでの立場を繰り返し強調しました。

こうしたなか、ロイター通信はイラン当局者の話として、仲介役を務めるオマーンがアメリカの案を受け取ったとしたうえで、これを近くイラン側に提示する見通しだと伝えています。