上司のパワハラを訴えて自殺した新潟市水道局の男性職員の命日である8日、新潟市水道局の敷地内に再発防止を誓う木が植えられました。
「注意義務を怠った過失により、取り返しのつかない事態を招いたものであり、痛恨の極みです。本当に申し訳ありませんでした、心よりお詫び申し上げます」

新潟市水道局の長井亮一水道局長の謝罪から始まった植樹式には、水道局の職員のほか、自殺した男性職員の遺族も出席しました。

【男性職員の妻】
「残念なのは、当時の係長と管理職が誰一人として参加してくれないことです」
「二度とこのような事件が起きないようにするためには、決してこの事件を風化させないでください」
2007年に自殺した新潟市水道局の男性職員の遺族は、上司のパワハラで自殺に追い込まれたとして新潟市に損害賠償を求め提訴。
新潟地裁は2022年に、上司が男性職員に必要な指導を行わなかったとして、市に対しておよそ3500万円の賠償を命じていました。
【男性職員の長女】
「パパが大変な時も、家族のことを思ってくれてありがとう。いつも空から私たちのことを見守ってくれてありがとう…」

男性が亡くなってから18年。
正しい組織を目指して風通しの良い職場づくりを誓って植えられたキンモクセイは『正風のき(しょうふうのき)』と名付けられました。
【新潟市水道局 長井亮一 水道局長】
「これを見て、職員がまた気持ちを新たにして、常に自分を律することができるようなよりどころにしたいと思っています」
【男性職員の妻】
「職員一人一人の方が自覚して、二度とこのようなことが起きないようにしていただきたいです」

新潟市水道局では毎年、男性職員の命日である5月8日から1週間、ハラスメント研修を行っているということです。