江戸時代の風情を残す豪農の館と現代アートがコラボレーションしました。一緒に写真を撮って楽しめる体験型のアートもあります。
国の登録有形文化財である富山市の内山邸では、築154年の「豪農の館」の空間を生かして、県内の作家8人が独創的な作品制作や新たな展示に挑戦しています。
「奥座敷」いっぱいに作品を展示したのは、氷見市の谷内英理菜さん。床やテーブルには折り紙を切って作ったキャラクターたちが、数え切れないほど敷き詰められています。
谷内さんは知的障害のあるアーティストで、毎日折り紙でお雛さまやカエルなど自分の大好きなものを作り続けています。
現代アート展をプロデュースした 米田昌功さん:
「谷内さんの作品にかける思いとか時間とかが伝わるような展示になったらいいなと思ったのでとにかくたくさん飾るっていう。彼女のポップな絵が意外と昔の掛け軸とマッチしてたりだとか、ミスマッチが新しい面白さや可愛さを引き出しているような感じがして面白いですね」
「桜香の間」と「続きの間」に展示されているのは、山本瑞生さんの「化(ば)けの皮オカシシマス」。実はこの作品は「体験できるアート」なんです。
繊維造形作家 山本瑞生さん:
「この作品を隠れ蓑にして写真を撮っていただいたりしたら面白いかなと思って。こんな風に自由に触って楽しんでいただきたいと思っています」
作品には、つらいことがあったら何かにいったん隠れることで自分をリカバリーして新たな一歩を踏み出してほしいというメッセージを込めました。
繊維造形作家 山本瑞生さん:
「パワーアップじゃないけど、ここに入れば強くなれるっていうような感覚を表現したくて」
山本さんは繊維造形作家でこれまで演劇や舞踏の衣装などを手がけてきましたが、今回は、内山邸の空間からイメージを膨らませて、一から自分の作品を作り上げました。
繊維造形作家 山本瑞生さん:
「内山邸のこのシチュエーションに置いてみてやっと完成したなというような気持ちになってます」
現代アート展をプロデュースした 米田昌功さん:
「作家さんにお願いしたのは、この場所と対話してこの場所のための作品を作ってほしいと。アートの面白さの向こう側に見える内山邸のよさであったりだとか、内山邸の奥に見えるアート作品の魅力だったりとか、そういう新しい見方をしてもらえればいいかな」
現代アート展は、11月7日まで開かれています。
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