小学生から一般までが日頃の練習の成果を披露する、海邦国体記念記録会。高校生にとっては新年度、最初の公式大会でもあり、県高校総体の前哨戦ともなる重要な大会です。

中でも注目は、この4月に発足したエナジックスポーツの陸上部。創部3年で甲子園出場を果たした野球部に続こうと、この春は1期生10人が入部しました。

――仲良くなった?
▼エナジックスポーツ陸上部員
「はい」

――エナジックの3年間は楽しそうですか?
▼エナジックスポーツ陸上部員

「はい、楽しそうです」

大城昭子さん

入部間もない選手たちを指導するのは、北山高校出身で監督として名護高校や北山高校を全国大会へ導いてきた大城昭子さん。

“駅伝不毛の地”と言われる沖縄の長距離界を変えるべく、新天地で定年退職後のリスタートを切りました。

▼大城昭子さん
「これまでやってきた経験を活かしつつも、またステージアップしたいなと、エナジックでも開始した感じです。1年目から上を目指していく心構えは持ってスタートしてほしい。先輩がいない分、苦しいところもあると思うけど、リーダー的な学年になってもらいたいなと思っています」

陸上部のデビュー戦は、中学3年生と高校1年生が出場する3000m走。学校からは最多の8人が出場し、最初の栄冠を目指します。

序盤からレースを引っ張るのは名護中出身のキャプテン、新垣朝大。高校初めての大会で、気持ちが入っていました。最初の1000mを超えギアを入れると、先頭に躍り出ます。

しかし、小学生時代から県大会優勝の実績がある今帰仁中3年、小那覇千輝も譲らず、熾烈なトップ争いが繰り広げられます。

▼新垣朝大 主将
「きつそうだったので、先輩の自分が引っ張ろうと思って。スピードは中々出なかったんですけど、それでもきついと思うことなく気持ちよく走りました」

残り1周の合図をきっかけに、もう一度気持ちを入れ、スパートをかける新垣。一学年下の後輩には負けられない意地を見せ、突き放します。

目指していた8分台には届きませんでしたが堂々先頭でフィニッシュし、高校として節目のデビュー戦で輝きを放ちました。

▼新垣朝大 主将
「最終的には箱根を走って沖縄の陸上界を盛り上げたい。どんどん強くしていきたいです。高校ではエナジックが今までで一番強いと言われるように全国からも注目されるように時代を作っていきたいです」

高校駅伝の聖地、都大路を目指して―。名護市瀬嵩から、沖縄の長距離界を変える新たな挑戦が始まっています。